住宅ローンの基礎知識

12.借換え

借換え

住宅ローン借入後、別の金融機関の住宅ローンに借り換えを検討した方が良い場合があります。 その目的は、大きく分けて以下の3つです。

1.現在の返済額を抑えたい
長い返済期間中には、家計収支の変化も考えられます。収入ダウン、支出アップなどにより、 現在の返済額そのものを軽くする方法です。 現在利用している金利種類よりも、低い金利のものをチョイスすることで返済額を抑える事が可能です。
固定金利→固定期間選択型、固定金利→変動金利などの借換えがそれにあたりますが、金融機関によっては、 キャンペーン金利や優遇金利が利用でき、同じ金利種類でも返済額を抑えられるケースもあります。  ただし、このケースでは一時的な返済額だけでなく残りの返済期間を見据えておく必要があります。
2.総返済額を抑えたい
住宅ローンの総返済額を考えた場合、月々の返済額だけでなく長い返済期間における金利変動リスクについても 検討する必要があります。 この場合、将来の金利変動を完全に予測することが不可能なため、同じリスクの金利種類を比較する必要があります。
固定金利⇔固定金利、固定金利期間選択型⇔固定金利期間選択型、変動金利⇔変動金利がこれに該当しますが、 このような比較において現在の金利が引き下げられるものや優遇金利幅が大きいものを選びましょう。
違う金利種類との比較では金利が下げられても、金利変動リスクが高まるような借換えは、 総返済額を確実に減らすとは限らない点に注意が必要です。
3.金利変動リスクを抑えたい
固定金利以外の金利種類を選択している場合、潜在的に金利変動リスクがあると言えます。 その潜在的なリスクを回避するための借換えがこれに該当します。  固定金利期間選択型→固定金利、変動金利→固定金利への借換えがこれに該当しますが、 返済額は多少アップしたとしても潜在的な金利変動リスクはほぼ払拭されます。

こんな場合は・・・
転職・独立、収入のダウンなど状況に変化があった場合、借換えの必要額の借入が難しい場合もあります。
借換え時も、住宅ローンの当初借入時と同じ水準の審査があると考えておく必要があります。
当初借入時に、「将来金利が上昇した場合には借換えすればよい」と考えていた場合には、 この状況の変化には対応できないケースがありますので、注意が必要です。

また、借換えを行う際は、融機関への融資手数料や保証料、抵当権の登記の付け替えを行うなど諸費用が必要となりますので、 借換えによるメリットとは別に、諸経費がかかることをふまえて検討する必要があります。

前へ 次へ